しーぷのすこすこシャドバブログ

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ちくしょう!ずるいぞ劇場版SHIROBAKO!!【ネタばれあり感想】

劇場版SHIROBAKOのネタバレ感想を言うこの記事。ネタバレありありなので見てない人これから見る人は読まないでね。

 

昨日見てきて、あーもう本当にSHIROBAKOの続編を見ることが出来た。これなんだよSHIROBAKOは!って言えるほどにクオリティが高い物に仕上がっていた。

冒頭今までのSHIROBAKOの説明を描いて、アニメから4年が経った2019年、アニ研5人組はそれぞれ仕事でアニメに携わっているけれど、現状に不満・悩みがある。それに加えて理不尽な理由でアニメ制作の計画が水の泡となってしまいムサニは経営破綻寸前。かつてのメンバーもバラバラ。残ったのは宮森他数名のスタッフのみと前半は結構暗いシーンから始まる。

中盤、ムサニが1発逆転するために、通常2年は製作期間が必要なオリジナル劇場版アニメの制作を僅か10か月で完成させる仕事を引き受ける。そこでちりじりになったムサニメンバーが再集結。紆余曲折ありながらも劇場版アニメは完成。5人の悩み・不満も良い方向に解決に進んで宮森はこれからもアニメを作り続けることを決意して本編は終了する。

 

まず何がすごいって新キャラも登場してるのにメンバー全員に良い見せ場を作っているところ。群像ものであるSHIROBAKOで2時間という尺の中で見せ場をしっかり作る。かつアニメで掘り下げなかった人たちを掘り下げつつ新キャラが死んでおらずしっかり絡んでくるっていう神業がそこにあった。あやねる演じる新キャラの宮井楓さんは必見。宮森を居酒屋で愚痴をぶちまけます。最高。

また遠藤さんの奥さんにフォーカスが当たったのは本当に以外で、それでいて夫婦の素晴らしさを垣間見た。というのも遠藤さんは力を入れていたアニメがポシャって半ばニートになってしまったんですよね。仕事もせずぶらぶらする毎日、収入もない中懸命に奥さんがパートで生活を支えるっていうもう泣ける!作監の瀬川さんやCGの下柳さんが仕事に復帰するように懸命に説得するけど意固地になってる遠藤さん。でも働く奥さんを見て、そして奥さんに今の不甲斐ない自分を謝るけど「あなたの素敵なところを私は知っている。だから大丈夫。」と真っ直ぐに言われて涙を浮かべながら仕事へ復帰する。ちくしょおおおお末永く爆発しろおおおおおおおおお。

 

他にもタローが演出に出世してたり平岡がそれを一緒に支えていたり。てか平岡がさ宮森に経営が傾いているムサニを案じて大丈夫?って心配の声かけるのよ!?しかも業界の先輩としてアドバイスもするのよ。もうかつての平岡は全くいなくて超良い人になってるのよ。なんだんだちくしょーータロー平岡本がそれだけで書けちまうよ!!!!!!!ついでに宮森×宮井で居酒屋グチ本も描けちまうよ!!!なんなら絵麻たそは久乃木さんとルームシェアしてたりカプ厨が大爆発しちまうよおおおおおおお。

 

個人的には木下監督が羨ましくてたまらない。アニメ制作の失敗ですっかり折れてしまった木下監督。それを立ち直らせる宮森がいてくれるのがまず羨ましい。相変わらず宮森はダメ男にモテそうな性格をしている。そしてかつての相棒本田さんの力もあって見事復活。散りじりになったスタッフもまた集まってくれた。絵コンテづくりで逃げ出したいときに安藤・佐藤・矢野パイセンみんなで励ましてくれる。この時の矢野パイセン超絶くぁいいからね。マジで見て。矢野パイセン好きな人は絶対見て。僕は矢野パイセンが一番好きなのでほんとにキュン死しそうだった。あんな甘えた感じの矢野パイセンから励まされたら監督も頑張っちゃうよな!俺も言われてええええええええ。あと制作娘たちにケツ叩かれてええよおおおおお。

 

とにかく名シーンのオンパレードで語りつくせない。これ以上書くと5万文字ぐらい書いちゃうのでいい加減記事タイトルのお話を。

何がずるいってさ。みんなが悩みを見せながらも輝くシーンを描く。でもモノづくりを行う上での闇の部分を一切この劇場版では描いていないんです。

納期が10か月というあまりにも厳しい状況の中明らかに現場は過酷で、しかも一旦完成したものを公開3週間前でラストシーンを作り直すってもう死人が出てもおかしくないんじゃないですかってレベルだったと思います。実際に制作する状況とかは一切見せず、アニメ制作に携わる人間たちのキラキラ輝くシーンだけを抽出して描いている。だからハッピーエンドだし後味も最高になった。でもそれがとてつもなくズルいと僕は思う。本当はもっと泥臭いシーンが、血反吐吐きながらそれでも懸命にアニメを作る姿がある。でもそれを一切描かない。言い換えたらものづくりの上辺っつらの綺麗なところしか見えないようになっている。初心者がまずイメージする綺麗なところだけを、そこだけを見せている。違うんだ本当はもっと闇な部分があるんだ!でも見せない。アニメ制作というモノづくりにおける希望しか見せない。それがズルくてズルくて仕方がない。

でもだからこそ、そこに憧れを抱いてしまう。モノづくりの素晴らしさを、そこに絶望が必ず待っているのにその先の希望を抱いてしまう。見てしまう。本当に明日を生きたくなってしまう、もう少し頑張ってみようかなって、そう感じさせてしまう映画なんですこれは。実際にモノづくりしたら苦労ばっかりだけど、でもその苦労の、絶望の先にあるものを見せられてしまう。勘違いしてまたモノづくりの沼にハマってしまう。または引きずり込んでしまう。この映画を見るとそう感じてしまう。なんて罪作りな作品なんだ。そう僕は感じました。

 

勘違いして欲しくないのは、僕はこの映画を否定したいわけじゃない。むしろTVアニメから追っかけてBDも買って何十回と見て、本当に好きなアニメなんです。1番好きなアニメです。この記事を書き終わった後も何回も劇場に足を運ぶ予定だし、円盤も絶対に買う。

とにかく面白くて仕方がない。100点を期待したら200点を叩き出してきた。そんな作品なんです。でも上記の感想を抱てしまう。2時間という尺の中では描けなかったのかもしれないし、そもそもシリアスなシーンはメイン5人と遠藤さん、それにメーカープロデューサーの葛城さんだけで十分だったなと思います。シリアスばかりだとみんなを活躍させられないし、詰込みすぎも良くない。しっかり笑える場面も要所要所に挟んでいて、本当に奇跡的なバランスで描かれている作品です。水島監督の手腕の賜物ですね。でもちらっとだけでいいから現場の過酷さは描いてほしかったな。絵麻たそがぼそっと一言呟いてたぐらいかな。TVアニメで少し触れているシーンがあるからくどいと判断されたのかもしれませんしね。

 

でもあんな綺麗な作品見たら僕ももっとがんばろってやっぱり思っちゃう。ズルいと思っても、辛いことは沢山あるけど、それでももう少しだけ頑張ろって思えちゃう。思わせてくれる。本当に素晴らしい作品。作品から勇気や元気を貰えるって中々ない。ただ面白かったで終わらないのがSHIROBAKO。だから好き。本当に大好きな作品です。

 

とりあえずは明日も見に行って出来たら明後日も。入場特典も入手したいしな。矢野さんの色紙をあと3種類欲しいんだ。複製原画も絶対ゲットしよ。

感情が溢れ出しすぎてまとまりのない文章になってしまったなと思います。でもそれだけ熱意が感じる作品で、見る側も沸き立つ。時間があればぜひ見に行ってみて下さい。きっと後悔はしないと思います。

 

 

 

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特典色紙はこんな感じ。みやみやコンビが当たったのは嬉しいけど全部欲しいなあ。